• 雑な生き方を丁寧に記すブログ

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またしても金曜の夜を完徹の後、土曜の朝バイト直行。2週連続で同じ轍を踏んでしまうとは・・・。まさか金曜の定時後に電話会議招集されるなんて思わなんだし・・・。

またしてもグロッキーな状態で帰宅したのが21時頃。さすがに限界なのでそのままベッドに横になった。おそらく数分もしないうちに眠りに落ちたと思う。

が、(体感では)次の瞬間にiPhoneのバイブに安眠を妨げられた。実際には23時過ぎ。アラームなんてかけた覚えないのに・・・と、画面を覗いたらLINEの着信だった。大学の同期から。

普段は滅多に連絡を寄越すような奴じゃない。これが昼寝の最中ならとりあえず無視して後でかけ直してたかも知れんが、しかしこんな時間に直接通話をかけてくるとは、夢からうつつに引き戻されたばかりでうまく働かない頭でも、何か大変なことがあったのではという不安がよぎるというもの。出ないとまずい気がする・・・。

恐る恐る電話を手に取り、どうしたのか聞いてみたら

「泊めてくれない?」

とのことだった。

はぁ!!!?

この友人は長野に住んでいる。今どこにいるのかと聞き返したら新宿とのこと。

なんでだよ!!今、この時期、この緊急事態宣言下の東京で!長野県民が何しとるんじゃ!?よしんば何か為すべきことがあったとしても、23時も回った後で泊めてくれとはどういうことじゃ!

もちろん突っ込んだが「いろいろありまして(笑)」しか言わない。まぁ昔から何でも「いろいろあって」であらゆる事由の説明を押し切ろうとするやつだったが、しかしそれだけ聞いてもだいたいのところは察しが着く。

何しろ「飲まれる」タイプの酒好きで、酔っ払っては車道で寝たとか、公僕のお世話になったとか、そういうエピソードは枚挙しきれない男だ。学生時代はそういう奴でもなかったと思っているが、どうやら就職して社会人になってからその辺の才能が開花したらしい。仕事のストレスという吊り橋効果で結ばれるというのは、駄目な酒との馴れ初めの典型だ。大方、また酔っ払って終電を逃したとか、そんなところだろう。

泊めてくれと言われても、俺の部屋は、狭い、汚い、何もない、のSKNデザインであって、早い話が人を招くように設計されていない。しかし、長野はともかく新宿の路上で寝られるぐらいなら俺の部屋で倒れてもらった方がいい。あまつさえ、警視庁は長野県警ほど穏やかじゃないだろうし、身元保証人になるよりかは部屋に掃除機かける方がまだ手間が少ない。とりあえず和光市まで自力で来てもらうことにした。

表面だけ部屋を片してる間も、そのまま寝ながら川越まで行ったりしないよな、とか、せめて和光市終点の便に乗っててくれとか不安になったりもしたが、0時前にちゃんと和光市に到着したと連絡が入った。

駅まで迎えに行ってみると、見覚えのあるシルエットが案の定千鳥足でコンビニから出てきたところだった。この時節にそんないかにもな酔っ払い方を晒してたら、見る人に見られれば最悪世間に晒されるぞ・・・。こいつに酒を提供したのはどこのどいつの店だ!!!

そして、なんでお前手ぶらなんだよ・・・。長野から出てくる格好じゃないだろ。しかし別に寄って何か置き忘れたとかではなく、初めからこの手ぶらで来たらしい。曰く「酔っ払ってもいいように」。

タック@Süßmetall على تويتر: "出る前に負けること考えるバカいるかよ!💢出てけゴラァ⚡って切り返せば神対応ですwww  https://t.co/27ekJfwXbz… "

飲まれる前提で飲むんじゃないよ!

束の間の睡眠を妨げられたことについては当然愚痴った。というか、そもそもこんな和光のボロ屋より、都内で綺麗な部屋に住んでる奴がいくらでもいただろと言ってみたのだが、

「他のアテもあったにはあったけど、時間が時間だし、気ィ遣うじゃん」

俺にも遣えよ!!

とりあえず部屋まで連れ帰ったものの、先述の通り俺の部屋は人を招くことを想定していないので来客用の布団がない。床でも良いとか言っていたが、さっき数週間ぶりに掃除機をかけただけのフローリングに寝させるというのは、新宿の地下歩道に寝させるのとさほど大差ない。仕方ないから俺のベッドに寝てもらった。30のおっさん同士が一緒に寝るにはきついものがあるので、俺はワーキングチェアで寝ることにした。

MOGUの人型クッションをおんぶして座って寝るスタイル。数十分仮眠したい時なんかに俺が使用する方式だが、慣れると案外寝れる。作業の締め切りに追われている時なんかは不思議と数時間寝れる。

友人はといえば、「いびきうるさかったらどついてね」と宣言して横になった10分後には高らかにいびきを響かせていたので、まぁそれなりには寝てもらえたことだろう。まったく、俺が金曜から焦がれていたベッドだというのに・・・

しかし、まぁ、そのいびきを聞きながら思ったことは、ちゃんと頼ってきてくれて良かったということだ。

昔、ある別の友人が「人生は他人様に迷惑かけてなんぼ」みたいなことを言っていた。当時25歳くらいだったと思うが、俺はそんなことないだろうと思っていた。他人に迷惑なんかかけないに越したことはない。まぁ、その友人は俺の知る限りではこの世で一番世話焼きで懐が深い男なので、そんなことも言えるのだと思っていたが、しかし最近なんとなく分かってきたこともある。

要は、自分が気を置かず迷惑をかけられる相手というのは言わずもがなだが、自分に迷惑をかけられても気にならない相手というのも、同じくらい有難いものだということ。

俺もいろいろ脛に傷を作っては誰かに助けられて生きてくるうち、結局他人に迷惑をかけずには生きられないってことに気づいてきたし、実際のところ、誰かに差し伸べた自分の手に自分自身が救われてる部分もあると思う。それがヒトが人間たる所以というか、利害関係だけじゃ埋め切らない社会の構成ピースだと思うワケ。まぁ、俺の心の狭さはさほど変わっちゃいないが、しかし当時よりかは人間らしい心を手に入れたことで、少しは生きるのが楽になったと思う。

そういうわけで、完徹明けの仕事の後に夜中泊めてくれという連絡は、はっきり言って迷惑この上ないが、嫌な気は全くしていない。新宿の路上でトラックに轢かれるよりかは、うちのベッドを占領してくれる方がずっとありがたい。

翌朝、始発で帰るのを見送ったのち、念願のベッドで昼まで寝て起きたら、無事家に到着したとの報告メッセージが入っていた。あんまり無茶な飲み方はしないようにと釘を刺したら「はいよ」とだけ返ってきた。

こいつまたやるな・・・いや、やるね!

できるなら次は飲む前に連絡して欲しい。

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