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革ジャン監督

結局、土曜のバイトの連絡が金曜に来た。まぁ、ちゃんと行ったわけだが。

この日は六本木のクラブを借りての撮影会。俺は生まれてこの方ナイトクラブで遊んだことがないので疎いのだが、かなり有名な店舗らしい。来店した著名人の記念写真を見ると世界レベルのものすごい名前が並んでいた。ギロッポン、ゴイスー。

撮影会自体は、アテンドが必要な団体撮影がなくて割と楽な方だった。ただモデルの人数が多かったので、チェキ撮影は少し慌ただしかったが。

モデルと参加者のツーショットチェキを撮影するだけの仕事だが、そもそも俺はカメラの扱いをあまり心得てない。このバイトを初めて頃は、ブレてないかとか、いい構図になってるかとか、正直撮る度に不安だった。何しろ、安くても1枚1100円というブッ飛び価格で売ってるものなので、シャッター押す手も緊張が走る。

が、だいぶバイトの回数を重ねるにつれて俺のスキルも安定してきた気がする。基本的には二人で並んでいるところを正面から撮るだけだが、たまに細かく構図をリクエストしてくる参加者もいる。この日のある客は、モデルに膝立ちの状態でお尻を突き出させ、自分はその横に顔を並べ、さらにモデルの顔も映るように下からの煽りで撮ってくれと注文してきた。

こ・・・この変態め!

俺は尻フェチの気は全くないので、同じ紳士としてもこの客の趣味は理解しかねるが、しかし仕事なので仕方ない。受けてしんぜよう、その注文。

とは言ったものの、膝立ちしてるモデルを煽って撮れと言われても、ファインダーを覗かないと構図が確認できないチェキカメラなので必然的に床に顔をつけるしかない。仕方なくうつ伏せになりカメラをモデルの尻に向ける俺。お待たせしすぎたかもしれません。ナイスです!ナイスですねぇ!

イメージ図

結果として、客も仕上がりに満足していたので良しとしよう。

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