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ラストショット

土曜日、撮影会のために平日よりも1時間早く家を出る。会社の倉庫から撮影用機材を運び出すところからのスタート。思えば、今までは銭湯だの野外だの、まともな撮影スタジオで仕事したことなかったわけで、照明機材とか運ぶのは今回が初。

今回は社長自らがスタッフとして参加。内勤バイトを卒業した以来の再会だが、まぁそれだけ人員のやりくりに難儀しているということだろう。俺と社長の他、新人の女性スタッフが現地集合ということになっていた。人手不足の現状の中だと、男性スタッフ2名とかで回さざるを得ないことが多かったりする現場だが、実は女性スタッフは結構重要。モデルの控室周りの世話は男だと気を遣うし、バニー衣装の尻尾つけてー♡とかなんとか、女性スタッフじゃないと対応できない。

「最近の子は当日バックれる人多いからなぁ・・・ちゃんと来るかなぁ・・・」と、集合10分前からナーバスになる社長。完全に疑心暗鬼になっている。元はといえば俺もショットワークスの日払い検索で入ったクチだからなんとも言えんが、そういう求人にはそれなりの求職者しか集まらないと思うぞ。思い切って正社員雇用するとかさぁ。土日の休み潰してこんな仕事するなんて、よっぽどのお人好しのアホぐらいだぞ。

社長の疑念はともかく、集合時間きっかりにちゃんとスタッフは来た。名前からして台湾か中国出身の子だが、この子が・・・ハクい・・・。ヒール履いてるわけでもないのに、俺と同じくらいの身長。そして何故か俺の1.2倍くらいの足の長さ。正直、今までの撮影会で見たどのモデルよりこの子のがスタイルいいんじゃないか?名前は仮にオーちゃんとしておく。

ともあれ、3人揃ったのでイベント開始前に急いで設営開始。モデルの控室から作って、各所に照明器具だの設置し、スケジュール確認。毎回毎回、急いでやってるつもりが結局受付開始ギリギリになってしまう。

今回の演者さんたちは、地下アイドルというよりはレースクイーンとかの活動をしている比較的本格派のモデルが主だった。名前をネット検索すれば、画像(不自然な加工による時空の歪みがないもの)もたくさん出てくるので名前と顔の照合はしやすい。つまりそれだけ実物で勝負できる人たちなわけで、全体的な容姿レベルは今までの撮影会で最高だったと思う。

が、しかし、同時に内面の刺々しさも過去最鋭レベル。なんなんだろうな、容姿と態度は反比例するようにデザインされているのかな、モデルって。

俺は団体撮影のタイムマネジメントがメインで、一日中ほぼ1人のモデルに付きっきりだった。1対多の撮影なので、撮影場所は基本的に俺が決めて誘導する。好きに動き回られても、一か所に居座られても、他の個人撮影の組に迷惑になってしまうから。とはいえ、あまり大きくないスタジオなので、場所の選択肢は限られてくる。全4部で、毎回お客さんが違うなら、同じローテーションを4回繰り返せば済む話なんだが、なにせ参加者たちは4万円近く払って第1部から4部まで通しで参加するような猛者が多い。別に義理もない話だが、やっぱり同じシチュエーションばかりだと悪いかと思って俺も気を遣ってしまう。

「今度は上の階の部屋にしますか」とか色々やりくりするんだが、そのうちモデルは「できれば寒くないところがいいです」とか言い出す。当然、彼女に貢ぐ者らは「暖房ついてるとこだけにしよう」とか同調する。君たちはそれでいいだろうけど、他の団体組とか個撮の兼ね合いがあるんだよ・・・ただでさえ狭いスタジオなのに・・・。台場で野外撮影してた地下アイドル(の卵の卵)たちのがよっぽど根性あったぞ。

そんな肌寒い中ではあったが、中にはほぼ一日ハイレグバニーガール衣装で通してる個撮モデルもいた。確かに露出するだけあってプロポーションはグンバツな子だったが・・・思わず俺が「寒くねぇのかな・・・」とが呟いたら、隣にいたオーちゃんが「そりゃあ、お金だから、でしょ」と言っていた。ま、その通りなんだろうけどさ。

なんだかんだで一日回しきり、撤収作業をしていると、帰りのモデルさんが俺に花束を渡してきた。

「これ、お客さんからもらったんですけど、持って帰れないので処分してもらえますか?本当に残念なんですけど」

文末に添えられた「残念なんですけど」に特に念は感じられなかったが、とにかく花束とその他荷物をタクシーに積み込み、倉庫まで運んで業務終了。拘束12時間。正直、今までで一番疲れたが、まぁ、お金だから、ね。

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